こんな疑問を解消します!
- FXの脱税は必ずバレるの?
- FXの脱税がバレる理由は?
- 脱税がバレるとどんな罰を受けるの?
FXで一定以上の利益を得た場合には確定申告と納税をおこなわなければなりません。
ここで、「FXの脱税は絶対にバレるのか?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では、FXの脱税はバレるのか?なぜ脱税がバレるのか?脱税がバレるとどんな罰を受けるのか?などを解説します。
これからFXを始める方はぜひ最後までご覧になっていってください。
FXにおける脱税とは?
FXの脱税とはFXで得た利益を正しく申告せず、納税の義務を果たさない行為で刑事罰のひとつです。
そのため、意図的におこなっていた場合には犯罪行為を働いているのと同義となります。
FXにおける脱税について
- 意図的に利益を隠している(または少なく申告している)
- 本来計上できない高額の経費を意図的に含めている
- 自分の行動が所得隠しにあたることを理解しながら長期間にわたって無申告を続けている
上記のような条件に当てはまる方が脱税の罪に該当します。
隠していた所得額が少ない場合や意図的ではない場合には過少申告加算税の徴収だけで済むこともありますが、同行為を何年も続けているケースでは悪質と判断されることも珍しくありません。
ちなみに脱税の容疑で逮捕され、その行動が有罪と認められれば懲役刑や罰金刑を受けることになります。いきなり自宅まで調査員が訪れ逮捕されたくないのであれば、確定申告と納税の義務をしっかりと果たしておきましょう。
FXをしていることが会社にバレるとまずい?
FXトレーダーの中には「脱税がバレる」ことよりも「会社にバレる」ことの方が怖いという人もいます。
これについては勤めている会社や企業によって対応が変わってきます。仮に就業規則として「投資禁止」が設けられていれば、FXの利用がバレることにより減給・解雇といった処分を下される可能性もゼロではありません。
ちなみにFXは投資や資産運用の一方法として考えられていますので、副業とは扱い方が異なります。つまり、副業禁止という会社であっても「FXは投資なのでOK」といったところもあるかもしれないということです。
この点については勤め先によって判断が分かれる部分なので、会社の方に直接確認してみてください。
なお、会社にFXをしていることがバレる要因のひとつが「確定申告書類の書き方」です。
会社にバレたくない場合はどうする?
- 「住民税の支払い方」で会社にバレることが多い
- 通常、住民税は給料から天引きされている
- FXで利益を得た場合にはその分の所得を自分で確定申告しなければならない
- この際、確定申告書類で住民税の支払い方を「普通徴収」にすることが重要
- 住民税の支払いを給料から天引きされる「特別徴収」にしておくと会社側にバレる
ご覧のように確定申告書類には住民税をどうやって支払うのか?を選択する項目があります。この項目を「普通徴収」にしておかないと会社側にバレてしまうので注意しましょう。
もちろん他の要因によってバレる可能性もありますが、ひとまず住民税の徴収方法を「普通徴収」にするということは覚えておいてください。
FXの脱税がバレる3つの理由
FXの脱税は税務署にバレるのか?
結論から言えば、脱税は100%バレますので隠ぺいすることは不可能です。
なぜ脱税がバレるのか?理由は以下の3つです。
脱税がバレる理由
- FX会社は支払い調書を税務署に提出している
- 現在はマイナンバー情報の事前提出が必須
- そもそも銀行に入出金の履歴が残っている
①FX会社は支払い調書を税務署に提出している
税金や確定申告の知識がない方の中には「FXで得た利益なんて申告しなくてもバレないだろう」と考えている方もいるはずです。
確かにイメージとしては税務署が国民ひとりひとりの所得を正確に把握していることはないように思えます。しかし、FX会社は顧客に対して出金をおこなった情報を「支払い調書」として税務署に提出しています。
つまり、自分がいくら所得を隠したとしても、FX会社から自分へと支払われた利益は税務署側に伝わっているということです。
こういったことを知らないと税務調査に入られたとき「ウソ」をつくことになり、より悪質な行為とみなされるので注意してください。
②現在はマイナンバー情報の事前提出が必須
現在はFX会社を利用する際に「マイナンバー情報の提出」が義務化されています。
税務署はFX口座の利用者情報(マイナンバー)と支払い調書を照らし合わせることですぐに申告漏れに気付きます。
特にサラリーマンの場合は本業の給与所得以外の申告をおこなっていないとすぐにバレますので、一定以上の利益を稼いだ場合は素直に確定申告をしてください。
もちろん個人事業主やフリーランスの方でも「FXの利益を得ているはずなのに前年の収入と比較して申告された所得額が上がっていない」などの理由によって所得隠しがすぐにバレます。
③そもそも銀行に入出金の履歴が残っている
FXの所得隠しや脱税がバレる理由には「どうやっても銀行に入出金の利益が残る」という点も挙げられます。
FX取引をするにはまず入金をしなければなりません。国内FX会社の場合は銀行口座からの振込、もしくはネットバンク経由での振込となりますので必ず履歴が残ります。
そして利益を得た場合にはFX口座から銀行口座にお金を引き出すことになりますが、これも履歴に残りますので隠しようがありません。
以上のことからFXの所得隠しや脱税はほぼ確実にバレると言えますので、毎年しっかりと確定申告をおこなってください。
FXの脱税がバレるとどうなるのか?
続いてはFXの脱税がバレるとどうなるのか?を解説していきます。
FXの脱税がバレた時の罰
- 意図的ではない場合:「過少申告加算税」「無申告加算税」の徴収
- 意図的な場合:「重加算税」の徴収
- 非常に悪質な場合:「脱税」の罪により刑事罰の対象
特に意図的な脱税をした場合には、「重加算税」といって本来納める税金より格段に多い金額を払わなければならず後悔することになるので注意しましょう。
①意図的ではない場合:「過少申告加算税」「無申告加算税」の徴収
「FX取引で利益を得ていたので確定申告をおこなった」「しかしその内容に不備があり、本来納めるべき税額よりも安く申告してしまった」という場合は、過少申告加算税を支払うことになります。
過少申告加算税の税率は10%~15%です。ちゃんと申告できていなかった分の所得に対して上記の税率が掛けられ、追加で税金を納めることになります。
また、そもそも申告をしていなかった場合は税率15%~20%無申告加算税を徴収されることになりますが、無申告の方が追徴課税額も大きくなるので注意しましょう。
ちなみに過少申告加算税や無申告加算税という措置だけで済むのはあくまで「所得隠しが意図的ではなかった場合」です。
とはいえ、過少申告加算税・無申告加算税が発生した場合には合わせて延滞税を支払うことにもなりますので、確定申告をおこなうときは後から調査に入られても問題がないようにしておきましょう。
なお、ここで理解しておきたいのは過少申告加算税や無申告加算税として扱われるのは申告漏れ金額がそこまで高くなかった場合ということです。
意図的かつ隠していた所得が高額の場合は、次の重加算税の対象となります。
②意図的な場合:「重加算税」の徴収
過少申告加算税や無申告加算税の対象となり、さらにその内容が悪質な場合には「重加算税」を課されることになります。
重加算税の税率は35%または40%となっていますので、かなり重たい措置と言えるでしょう。
また、過去5年以内に無申告加算税もしくは重加算税を課されたことがある場合は、税率が10%アップします。つまり最大で50%の税金を納めることになるわけです。
単純に考えると1000万円の所得を隠していたときには税額が500万円となりますので、タイミングによっては支払えないケースも出てくると思います。
こうしたことにならないよう、確定申告は毎年しっかりとおこなっておきましょう。
③非常に悪質な場合:「脱税」の罪により刑事罰の対象
重加算税よりも重たい罰則を受けることになるのが「脱税」と判断された場合です。
脱税は刑事罰の対象であり、有罪と認められた際には「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方」が課されます。
ちなみに脱税の基準となる金額は明確に設けられていませんが、過去の事例を考えると「1億円以上」というのがひとつの目安になるようです。
過去に遡って1億円以上のFX所得を隠していた場合に脱税の容疑で調査される可能性が高くなるということを覚えておきましょう。
FXの税金に関する基礎知識
それでは最後にFXの脱税で捕まらないためにも「初心者の方が理解しておくべき税金・確定申告に関する基礎知識」を紹介していきます。
いきなり脱税の罪で逮捕されることは基本的にありませんが、過少申告加算税や無申告加算税の対象にならないよう税金の基礎はしっかりと抑えておきましょう。
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課税対象となる利益額の基準
FXをしていて確定申告が必要となるのは年間所得が以下の金額を超えた場合です。
課税対象となる利益額
- 給与所得者(サラリーマンなど):年間所得20万円以上
- 非給与所得者(自営業者など):年間所得48万円以上
こちらの基準所得額は雑収入などをすべて合算したときの金額です。FX以外にもバイナリーオプションやCFD取引をしている方は、その損益をすべて合算しなければなりません。
また、課税対象となる所得とは利益から経費や各種控除額を差し引いた金額です。
仮にFXで300万円の利益を稼いだとしても、計上できる経費が100万円あれば課税対象所得額は「200万円」となります。
FXの利益は「雑収入」に区分され「申告分離課税」が適用されますが、このときの税率は「20.315%」です。
つまり、課税対象所得額が200万円なら申告すべき税額は「200万円×20.315%=406,300円」になるということです。
こうした計算を書類にまとめ、税務署に提出する作業を「確定申告」と呼びます。
利益から差し引ける経費や控除額
FXの利益から差し引ける経費や各種控除には以下のようなものが該当します。
FXの経費
- 取引手数料
- 入出金手数料(銀行所定の手数料など)
- FX関連の書籍代
- FX関連のセミナー代
- FX関連のソフトウェアやツール代
- セミナーに参加する際の交通費や宿泊費
- FX取引に使用した通信費
- FX取引に使用した電気代
- FX取引に使用したパソコンやスマホの購入代金またその一部(※)
- パソコン周りの設備やデスクの購入代金
各種控除の種類
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
まず経費から説明していきますが、取引手数料や銀行の入出金手数料というのは確実に経費として計上できます。
また、FXの勉強を目的とした書籍やセミナーの費用、FXの取引や分析に使用したソフトウェア・ツールの代金も経費と考えて問題ありません。
なお、各種控除についてはそれぞれ適用できる条件が異なります。そのため、国税庁のホームページなどを参考に適用できるかどうかを判断してください。
確定申告の方法と時期
確定申告をおこなうときには「確定申告書類」「マイナンバー関連書類」「年間損益報告書」「計上した経費の領収書」「各種控除証明書」が必要となります。
確定申告の方法
- 必要な書類をすべて集める
- 年間の利益と損失、経費などを計算する
- 計算した金額や内容を確定申告書類に記載する
- 確定申告書類から割り出された納税額を確認する
- 確定申告書類を税務署に提出し、金融機関にて納税をおこなう
なお、こちらが確定申告の流れです。
確定申告書類に利益や経費を記載する部分が難しく感じられるかもしれませんが、国税庁のホームページには自動で計算してくれるツールもありますので分からない場合はそちらを利用してみてください。(もちろん市販の会計ソフトでも可)
あとは毎年2月16日~3月15日という確定申告の期限を守れば大丈夫です。申告漏れにより追徴課税を受けないよう、FXを始めるときには税金と確定申告の基礎をしっかりと抑えておきましょう。
FXの脱税はほぼ確実にバレるので素直に申告すること
「FXでの脱税はバレるのか?」をテーマにしながら税金や確定申告に関する情報を紹介してきました。
ご覧いただいたようにFXの利益を意図的に隠して税金をごまかすことはほぼ100%不可能です。
仮に1~2年バレなかったとしても数年後に税務調査が入ることもありえますので、「20万円」「48万円」といった基礎控除額以上の利益を得た場合には素直に確定申告をおこないましょう。