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FXスプレッド(手数料)をFX会社のタイプ別に徹底比較【全10社】

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鈴木 拓也

株式会社フィンテラス 代表取締役
日本証券アナリスト協会認定アナリスト
1987年生まれ、静岡県出身
明治大学理工学部卒業、東京工業大学大学院修士課程修了後、三井住友銀行に入行
東京本店にて為替のアルゴリズム取引、香港支店にて為替のカスタマーディーラー及び、インターバンクディーラー業務に従事し独立
FXや株式投資で運用し、金融資産は数億円
FXを中心とした投資教育のWebメディアやスマホアプリを運営
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こんな疑問を解消します!

  • FXのスプレッドとは?
  • スプレッドが狭いFX会社は?
  • スプレッドと手数料の違いは?

利用するFX会社を選ぶときに重要なポイントとなるのが「スプレッド」です。スプレッドは手数料として換算されるものであり、数値が高いほど余分な費用が掛かってしまいます。

また、スプレッドが広いと単純に利益が出しづらいといったデメリットにも繋がってしまいます。

この記事では主要な国内FX会社を10社ピックアップし、それぞれのスプレッドを比較してみました。

FXのスプレッドの仕組み

それでは最初に、FX会社におけるスプレッドの仕組みや基本的な概要を説明していきましょう。

FX初心者の方はこちらの内容からご覧ください。

スプレッドとは

スプレッドとはFX取引における「買値」と「売値」の差額を表す用語で、実質的なFXの取引手数料です。

買値と売値の差額が大きいとその分だけ利益を出すまでに金銭的な距離が開きます。

たとえばスプレッドが1銭の通貨ペアに対して1万通貨の注文を出した場合、注文約定時の評価額は「マイナス100円」(1銭×1万通貨=100円)です。

つまり、この100円の分だけ「損」をしているということになります。そして、利益を出すためにはスプレッド幅「1銭以上」の値動きが必要です。

仮にスプレッドが0.3銭であれば実質的なコストは30円となり、利益を出すまでの金銭的な距離も短くなります。以上のことからFXを始めるときにはスプレッド幅が狭い証券会社を選んだ方が良いと言えるわけです。

ちなみに国内FXの多くは原則として固定制のスプレッドを採用しています。ただし、深夜帯になるとスプレッドの数値が大きくなるところもありますので、そういった点もチェックしておかなければなりません。

「pips」とは

「pips(ピップス)」とはFX取引で使われる単位のひとつです。

スプレッドや値動きの幅を表す際に用いられるのですが、その概要を以下にまとめましたのでご覧ください。

pipsとは

  • pipsには基軸となる通貨の最小単位が使われる
  • クロス円ペアの場合:1.0pips=1銭=0.01円
  • クロス円ペア以外の場合:1.0pips=0.0001通貨(ドルなど)

たとえば米ドル円のスプレッドが「0.2銭」と表記されていた場合には「0.2pips=0.002円」のスプレッドが設けられていることになります。このとき1万通貨の注文を出したとするとコストは20円です。

クロス円以外で考えると、ユーロドルに対してスプレッドが「0.3pips」と表記されていた場合には「0.3pips=0.00003ドル」のコストが掛かることになります。米ドル円と同じように1万通貨の注文を出したときのコストは30円~36円程度です。

このようにクロス円とそれ以外の通貨ペアでは小数点を置く位置が変わってきますので覚えておきましょう。

「スプレッド」と「取引手数料」の違いとは

FX取引に掛かるコストには「スプレッド」と「取引手数料」の2種類があります。

そして、FX自動売買を除いて(後述)、ほとんどの国内FX会社では取引手数料はゼロ円となっています。

スプレッドと取引手数料の違いは以下の通りです。

スプレッドと取引手数料の違い

  1. スプレッドは相場の状況によって変動する
  2. 取引手数料は原則として固定されている
  3. スプレッドとして支払う金額は「経費にならない」が、取引手数料として支払う金額は「経費になる」

スプレッドは取引する通貨ペアや相場の状況によって変動することが普通です。

しかし、取引手数料は原則として固定されていて、FX会社側がその金額をいきなり動かすことはありません。

【裁量取引】FX会社のスプレッドを比較

ここでは裁量トレードがメインとなる国内FX会社のスプレッドを比較していきます。

裁量トレードとは「自分で注文や決済をおこなう取引スタイル」のことです。

米ドル円ユーロ円ポンド円NZドル円ユーロドル
マネーパートナーズ0.0銭0.0銭0.0銭0.6銭0.1pips
DMM FX0.2銭0.5銭0.9銭0.8銭0.4pips
みんなのFX0.2銭0.4銭0.8銭1.0銭0.3pips
GMOクリック証券0.2銭0.5銭0.9銭1.2銭0.4pips
LION FX0.2銭0.4銭0.9銭0.8銭0.3pips

※パートナーズnano口座。NZドル/円は17:00~27:00。ポンド/円は5千通貨まで、その他は1万通貨まで。

今回はご覧の5社のスプレッドを比較してみました。

微妙に数値が違うことが分かると思いますが、各社の特徴について説明を加えていきましょう。

マネーパートナーズ

マネーパートナーズは業界内で最狭クラスのスプレッドを設定するFX会社です。

マネーパートナーズの100通貨から注文できる「パートナーズFX nano」では、米ドル/円やユーロ/円のスプレッドが「最小0.0銭」となっています。(注文量=1万通貨まで)

これは言うまでもなく業界No.1の狭さです。

もちろん相場が急変したときにはスプレッドが広がることもありますが、平常時においてスプレッドが0.0銭というのは非常に有利な条件と言えるでしょう。

DMM FX

DMM FXは全体的にスプレッドが狭いFX会社です。

中でも1通貨あたりの単価が安い「NZ円」のスプレッドが0.8銭というのは業界トップクラスの狭さとなっています。

ちなみにこれだけスプレッドが狭いのはDMM FXが定期的に「スプレッド縮小キャンペーン」を実施しているからです。

従来のスプレッドよりも狭い数値で取引をしたい方は、ぜひDMM FXを選んでみてください。

なお、DMM FXであればデモトレードも可能なので初心者にはぴったりだと思います。

みんなのFX

「みんなのFX」の特徴は主要通貨ペア以外のスプレッドも狭いところです。

  • トルコリラ円:1.6銭
  • 南アフリカランド円:0.9銭
  • メキシコリラ円:0.3銭

ご覧のように高金利通貨ペアのスプレッドが狭いので、スワップポイントを狙った取引をする際にもトレーダー有利な条件となっています。

また、深夜帯にスプレッドが広がらないところも「みんなのFX」の魅力です。

相場が急変しない限りは「AM8:00~翌日AM5:00」まで原則固定スプレッドとなっています。

GMOクリック証券(FXネオ)

GMOクリック証券では一部の通貨ペア(スイスフラン円など)を除き、終日固定のスプレッドを提供しています。

トルコリラや南アフリカランドなどが絡む通貨ペアも固定スプレッドの対象となっていますので、ボラティリティの高い通貨ペアで勝負したい方にはおすすめのFX会社と言えるでしょう。

また、GMOクリック証券では人気が高い通貨ペアのひとつ「豪ドル円」のスプレッドが0.6銭に設定されています。

豪ドル円は価格が安い割に激しい値動きが期待できる通貨ペアなので初心者にもおすすめです。

ヒロセ通商(LION FX)

LIONFXはほとんどの通貨ペアのスプレッドが業界最狭水準に設定されています。また、取引できる通貨ペアも54種類と多いところも特徴的な部分です。

LIONFXは約定力にも定評があるFX会社で、思った通りの価格で注文を通せるといった魅力があります。そのため、短期的な売買で利益を狙いたい方には最適です。

そんなLIONFXでは様々なキャンペーンを実施していますので、ぜひ一度公式サイトをチェックしてみてください。

【自動売買】FXのスプレッドを比較

続いては自動売買メインのFX会社のスプレッドを比較していきます。

なお、シストレ系のFX会社ではスプレッドとは別に取引手数料を設けているところが多いので、そちらもまとめて表にしました。

米ドル円ユーロ円ポンド円ユーロドル取引手数料
ループイフダン2.0銭3.0銭5.0銭2.0pips無料
トライオートFX-※-※-※-※無料~往復40円
(0.0pips~0.4pips)
トラリピ4.0銭5.0銭4.0銭5.0pips無料
みんなのシストレ1.9銭変動変動変動往復40円
(0.4pips)
iサイクル2変動変動変動変動往復40円
(0.4pips)

※公式サイト/LPともにスプレッド非公開のため

「スプレッドが狭い場合には別で取引手数料が掛かる」「もとのスプレッドが広い場合には取引手数料が含まれている」というのがシストレ系FX会社の特徴です。

また、サイト内でスプレッドを公開していないところもありますが、そういったFX会社の場合は変動制スプレッドに加えて一定の取引手数料を設定しているケースが多く見られます。

アイネット証券(ループイフダン)

自動売買メインのFX会社の中で取引コスト(スプレッド+取引手数料)が安いのは「ループイフダン」です。

「ループイフダン」はリピート系の自動売買システムです。

取引手数料は無料で原則固定のスプレッドが設定されています。

シストレ系FX会社の中では取り扱っている通貨ペアが全20種と多く、マイナー通貨ペアへの自動売買を目的とする方には非常におすすめです。

インヴァスト証券(トライオートFX)

トライオートFXはインヴァスト証券が提供するFX自動売買システムです。

トライオートFXは注文量に応じて取引手数料が下がる仕組みとなっていますので、注文を出せば出すほどお得な取引ができます。

  • 1万通貨未満:往復手数料40円
  • 1万~10万通貨:往復手数料20円
  • 10万~50万通貨:往復手数料10円
  • 50万通貨以上:無料

ある程度の資金を持っていて機械的にFX取引を済ませたい方はトライオートFXを選びましょう。

マネースクエア(トラリピ)

マネースクエアが運営する「トラリピ」はスプレッドに取引手数料が含まれているタイプのFXサービスです。

パッと見たときのスプレッドは広く感じられますが、自動売買初心者でもすぐに使い方を理解できるところが魅力的な部分として知られています。

また、注文量や時間帯によって取引手数料が変わらないので、スプレッドや取引手数料の計算が面倒という方にはトラリピがおすすめと言えるでしょう。

トレイダーズ証券(みんなのシストレ)

みんなのシストレでは「変動制スプレッド+固定の取引手数料」が設定されています。

ちなみにトータルすると米ドル円の取引コストが2.3pips前後となりますが、これはシストレ系FX会社の中で平均的な数値です。

なお、みんなのシストレでは実際に取引をしているトレーダーの注文をフォローできる仕組みを採用しています。こうしたミラートレードのようなシステムを提供している会社は少ないので、それだけでも利用する価値があるFX会社と言えるでしょう。

外為オンライン(iサイクル2)

「iサイクル2」は外為オンラインが提供する自動売買システムです。新規口座開設者には取引手数料無料サービスを実施していますので、シストレを試してみたいという方には最適なFX会社と言えます。

また、「iサイクル2」の自動売買システムは非常に秀逸で、トレンドが変わるタイミングで注文内容も自動的に変換してくれるといったプログラムが搭載されています。

本来、自動売買はトレンド相場に弱いと言われていますが、そういったウィークポイントをケアしているところも「iサイクル2」をおすすめする理由です。

国内FXと海外FXのスプレッドを比較

国内FXと海外FXではスプレッドの数値が圧倒的に違います。

国内FXと海外FXのスプレッド比較

  • 国内FX:米ドル円の平均スプレッド「0.2銭~0.3銭」
  • 海外FX:米ドル円の平均スプレッド「1.0銭~1.6銭」

仮に海外FX口座で「米ドル円・10万通貨」の注文を出す場合には「1,000円~1,600円」のコストが掛かります。

同じ条件の場合、国内FX口座ならコストが200円~300円で済みますので、いかに海外FXのスプレッドが広いかが分かると思います。

参考記事:海外FX会社の口座はおすすめしない?メリット・デメリット徹底解説

FX会社選びでスプレッド以外に比較するポイント

それでは最後にFX会社を選ぶ際にスプレッド以外で比較するポイントを見ていきましょう。

ボーナス

多くの国内FX会社では新規口座開設者を対象に「数十万円分のキャッシュバックボーナスキャンペーン」を実施しています。

金額はFX会社によって異なりますが、だいたい20万円~30万円ほどのボーナスを用意しているところが多い印象です。

なお、ボーナスの受け取り条件は「新規口座開設+規定の取引量クリア」となりますが、ボーナス重視でFX会社を選ぶ方はぜひその内容を確認してみてください。

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スワップポイント

スワップポイントとは注文を翌日まで持ち越した際に発生する「金利差額調整分のお金」のことです。

スワップポイントにはプラスとマイナスの両方があり、注文を保有し続ける限りは必ず付与・徴収のどちらかが反映されます。

なお、プラスのスワップポイントが高く設定されているFX会社を選べば、取引をしなくても注文を持ち続けるだけでスワップ利益が得られます。

こうしたスワップトレードで稼いでいるトレーダーも少なくありませんので、興味がある方はスワップ狙いの取引に適したFX会社を選びましょう。

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約定力

「約定力」とは注文が通るスピードや確率のことを指す言葉です。FX会社ではそれぞれ独自の取引プラットフォームやサーバーを採用してFXサービスを提供しています。

使用するサーバーの違いによってFX会社の間には約定力の差が生まれるわけですが、約定力に劣るところを選んでしまうと自分が思った通りの取引ができません。

特に緻密なチャート分析によって細かい利益を積み重ねるトレーダーの場合はFX会社の約定力が生命線となりますので、事前に確認をしておきましょう。

FX会社のスプレッド比較まとめ

これからFXを始める方のために主要な国内FX会社のスプレッドを紹介してきました。ご覧いただいたようにスプレッドの幅はFX会社によって異なります。

トレーダーにとってスプレッドは「狭ければ狭いほど良い」ものなので、FX会社を選ぶときにはその数値をチェックしてみてください。

また、スプレッド以外ではボーナス・スワップポイント・約定力といった部分を比較することも大切です。自分がどういったスタイルの取引をしたいのか?によって選ぶFX会社が変わってきますので、そのあたりも参考にしてもらえればと思います。

  • この記事を書いた人

鈴木 拓也

株式会社フィンテラス 代表取締役
日本証券アナリスト協会認定アナリスト
1987年生まれ、静岡県出身
明治大学理工学部卒業、東京工業大学大学院修士課程修了後、三井住友銀行に入行
東京本店にて為替のアルゴリズム取引、香港支店にて為替のカスタマーディーラー及び、インターバンクディーラー業務に従事し独立
FXや株式投資で運用し、金融資産は数億円
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