こんな疑問を解消します!
- 海外FX会社の口座はどうなの?
- 国内FXと海外FXの違いは?
- それぞれのメリット・デメリットは?
この記事ではFXを始めようとしている方に向けて「海外口座はおすすめなのかどうか」という点を解説していきます。
日本国内に拠点を置くFX会社を「国内FX」と呼び、海外に拠点を置くFX会社を「海外FX」と呼びます。
「海外口座でのFX取引は危険性が高いのか?」「どういった部分に注意が必要なのか?」「国内FXの方が優れている部分はどこか?」などを分かりやすく紹介していきますので、ぜひ参考にしていってください。
海外FX口座をおすすめしない理由(デメリット)について
結論から先に伝えますが、これからFXを始める初心者が海外口座でトレードをするのは少し危険と言えます。
もちろん海外FXには独自の魅力があります。
ただ、ある程度の知識や経験がないと、あっという間に資金がなくなってしまう可能性があるということです。
さらには詐欺的な悪質FX会社に騙されてしまうリスクもゼロではないのですが、そのあたりも踏まえてFXの海外口座をおすすめしない理由を見ていきましょう。
海外FX口座をおすすめしない理由
- 日本の金融庁に未登録
- 詐欺的な悪質業者が潜む危険性
- スプレッドが広い
- 一瞬で強制ロスカットされる可能性がある
- 税金が高い
①日本の金融庁に未登録
海外のFX会社は日本の金融庁に対して登録をおこなっていません。これは全ての海外FX業者が該当します。
ただし、海外のFX口座を利用すること自体に違法性はないので、その点は誤解しないでください。
海外に拠点を置くFX会社はその国の法律に従ってサービスを提供しており、外国の金融ライセンスを保有・公開しているFX業者は基本的に安全です。
海外FXが違法ではない理由
- 例えば、日本のFX会社は海外の国の金融ライセンスを保有していない
- しかし日本では違法性のないFX会社として正当に運営がされている
- 逆に考えれば海外のFX業者が違法な会社ではないことが分かる
日本が海外のFX会社に対して警告するケースというのは「金融庁に登録せず勧誘行為をおこなっている場合」です。ちなみに日本の法律を守らず勧誘行為をおこなっている海外のFX会社に対して違法性を訴えることは出来ますが、そこに強制力はありません。
そのため、今でも海外のFX口座は自由に使える形となっているわけです。なお、前述の通り日本人が海外口座を使ってFXをおこなっても罪には問われません。これは海外FXの利益が「確定申告の対象」となっていることからも判断できます。
とはいえ、日本の金融庁から再三警告を受けている海外のFX会社がどのタイミングで日本人トレーダー向けの口座を閉鎖するか分からないので、結果としておすすめはしないということです。
②詐欺的な悪質業者が潜む危険性
海外FX会社の中には「詐欺的な業者」も存在します。
たとえば「入金をしてからしばらく経った段階でサイトにアクセスが出来なくなる」「出金をするためには法外な取引量が必要となる」など、その手口は様々です。
最近はそういった悪質業者が減っているものの、FXの経験がない初心者が詐欺的な海外FX会社を見極めるのは少々困難と言えます。また、何かトラブルに巻き込まれた際に海外のサイトだと「日本語で対応してくれない」といったデメリットもあります。
自分にとって大きな資金を入金したあと音信不通となられた場合には対処する術がありませんので、初心者であれば素直に国内のFX会社を利用してみてください。
③スプレッドが広い
スプレッドとは買値と売値の差額を指す言葉で、海外口座ではこのスプレッドの幅が日本のFX口座より広く設定されています。
スプレッドは実質的な取引コストとして計算されるものですが、トレーダーからすると「とにかくスプレッドが狭いFX口座を利用したい」というのが本音です。
なお、ドル円のスプレッドを参考にすると国内FX会社のスプレッドはだいたい「0.2銭」くらいです。対して海外FX会社では「1銭~2銭」ほどのスプレッドを設定するところが大半となっています。
国内FX会社のスプレッド一覧は、以下の記事「FXスプレッド(手数料)徹底比較」をご覧ください。
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FXスプレッド(手数料)をFX会社のタイプ別に徹底比較【全10社】
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仮に同じだけの注文をおこなった場合の取引コストを計算してみましょう。
国内FXと海外FXにおけるスプレッドの差
- 国内FX:0.2銭×1万通貨=20円
- 海外FX:1銭~2銭×1万通貨=100円~200円
ご覧のように国内FXで1万通貨分のドル円を取引する場合はコストが20円です。海外FXでは100円~200円のコストが掛かるので、その差は圧倒的と言えます。
ちなみに年間1000回の取引をおこなった場合には差額が「8万円~18万円」ほどになります。FXの海外口座をおすすめしない理由には、こうした取引条件も含まれていますので参考にしてみてください。
④一瞬で強制ロスカットされる可能性がある
海外FXの魅力は国内FXよりも使えるレバレッジが大きいところにありますが、ハイレバレッジな取引では「一瞬で強制ロスカットされるリスクもある」ということを覚えておきましょう。
レバレッジとは?
- 自己資金を倍化してくれる仕組みのこと
- 日本のFX会社では最大25倍のレバレッジが使える
- 仮に自己資金1万円だけでも「25万円分の注文」が通せる
- 海外FX会社にはレバレッジの制限がない
- 海外FX会社の平均レバレッジは500倍前後(中には最大レバレッジ1000倍~2000倍以上の口座もある)
大きなレバレッジを使えばその分だけ「証拠金(自分が用意する資金)」の額が減ります。しかし、少ない証拠金で大量の注文を出すと、予想とは異なる方向にちょっとでも値動きが進んだだけでロスカットされてしまう可能性が出てくるわけです。
なお、ある程度の経験を積んだトレーダーならハイレバレッジな環境でもバランスを取りながら注文を出せますが、初心者だと訳も分からず一瞬で数万円~数十万円を失うリスクがあります。
※仮に5~6万円の自己資金で海外FXを始めたとして、1分あればそのすべてを失う可能性がある(もちろん、たった1分で数万円を稼ぐことも出来るが非常にリスキーであることは理解しておかなければならない)
⑤税金が高い
海外FXは税金が高いというのもデメリットのひとつです。
国内FXで得た利益に対しては一律20%程度の税率が掛けられますが、海外FXの場合は利益が上がるほど税率もアップする仕組みとなっています。
国内FXと海外FXの税金
- 国内FX:一律20.315%(住民税含む)
- 海外FX:課税対象所得に応じて5%~45%(プラス10%の住民税)
FXで数百万円以上の利益を狙う場合には、納める税額を知っておくことも大切です。
年間で数万円ほどの利益なら海外FXを利用していても問題ありませんが、その金額が上がるにつれて税金負担が増すことを理解しておきましょう。
海外FX口座がおすすめされている理由(メリット)について
ここからは海外FXのメリットを解説していきます。
どんなものにもメリットとデメリットがありますので、その両方を比較しながら利用するFX会社を選んでみてください。
海外FX口座のメリット
- 使えるレバレッジが大きい
- 追証なしの業者も存在する
- 取引の自由度が高い
①使えるレバレッジが大きい
前述の通り使えるレバレッジが大きいというのはメリットとしても捉えられる部分です。レバレッジが大きければ少額の資金からでも大量の注文が通せます。
簡単に言えば「一攫千金が狙える」というのが海外FXの魅力です。
しかし、注文とは逆方向に値動きが進めば同じだけの損失が出てしまいます。このあたりのバランスを考えて取引できる方なら、海外FXの利用を検討してみても良いかもしれません。
②追証なしの業者も存在する
海外FX会社の中には「追証を請求しない」というところもあります。なお、追証(追加証拠金)とは、証拠金維持率が一定を下回った場合や残高がマイナスになった場合、あとから足りない分の金額を請求される仕組みのことです。
海外のFX会社では、こうした追証を請求しない「ゼロカット」と呼ばれるシステムを採用しているところが多く見受けられます。ゼロカットシステムを導入している海外FX業者なら借金をする危険性がないので安心してトレードが出来るということです。
ただし、各FX会社の利用規約に違反した取引をしているとゼロカット対象外となるケースもありますので注意しましょう。
③取引の自由度が高い
裁量トレードやシステムトレード、ミラートレードといった様々な取引方法をひとつの口座で実践できるところが海外FX最大のメリットと言えます。
また、大半の海外FX会社は取引プラットフォームにMT4・MT5を採用しています。このMT4・MT5は自分でカスタマイズできるところが特徴的で、新しいチャート分析や自動売買ツールを試す際にはとても便利です。
こうした形で「取引の自由度が高い」という点は、国内FXに勝っている部分と言えるでしょう。
記事:【MT4とは?】ダウンロード方法や使い方を初心者向けに解説
FX海外口座のリスクや注意点
ここからは海外口座を利用する上でのリスクや注意点を紹介していきます。
FX海外口座の注意点
- 金融ライセンスの有無
- 過去に出金拒否の有無
- 日本語サポートの有無
①金融ライセンスの有無は確認するべき
仮に海外のFX口座を選ぶ場合には、必ず「金融ライセンス」の有無を確認しましょう。基本的に金融ライセンスはサイトトップページの下部に記載されています。
サイトトップページに金融ライセンスや認可番号が記載されていない海外FX会社は危険性が高いのでおすすめしません。
②過去に出金拒否がないかどうか
海外FX会社を利用する際は口コミやレビューをチェックして「不当な出金拒否事例」がないかどうかを確認してください。
これは、色々と不当な理由を付けて利益の出金を拒否する悪質なFX会社も存在するからです。なお、少しでも不安に感じるような口コミがあった場合には利用しない方が良いと言えます。
③日本語サポートが不完全なところもある
海外のFX会社では日本語サポートが不完全なところも多々あります。サイトを見たときに「自動翻訳されたような不自然な日本語」が並んでいるFX会社は日本語に対応していないと考えた方が良いでしょう。
ちなみに日本語対応が不完全な海外FX会社を選ぶとトラブルがあったとき対応に困ってしまいます。自分の資金を守るためにも、そういった海外FX会社は利用しないよう気を付けてください。
FX海外口座より国内FXをおすすめする理由
それでは最後にFXを始める上で海外口座より日本の会社をおすすめする理由を挙げていきたいと思います。
国内FXのメリット
- 安全性
- 日本語サポートが万全
- 税金が安い
国内FX会社を比較して検討したい方は、以下の「FXおすすめ口座比較」の記事をご覧ください。
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【2024】FX口座おすすめ比較ランキング!初心者が失敗しない選び方
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①安全性は国内FXの圧勝
安全性や信頼性といった点では国内FXの圧勝です。特に国内のFX会社では「どんなことがあっても顧客の資金は返金する」といったルールが徹底されています。
仮に資金を預けていたFX会社が突然倒産しても、第三者機関を通じてトレーダーのお金は戻ってきますので安心してください。
ちなみに海外FX会社の場合だと、こうした対策を取っていないところもあります。そのため「いきなり倒産して資金が返ってこない」といった事例もあるわけです。
②日本語サポートが万全
国内のFX会社は当然のことながら日本語サポートが万全です。また、どういったトラブルが起きても連絡が取れますので、初心者でも安心して利用できます。
先ほども少し触れましたが海外FX会社の場合は日本語サポート力が不十分な可能性が高く、何か問題が起きたときに自力で解決できないケースもあるということを覚えておきましょう。
③一定額以上の利益が出た場合は税金が安い
前述の通り国内FXの税率は20%ほどに固定されています。そのため、大きな利益を出した場合は海外FXより国内FXの方が納める税金が安く済みます。
ちなみに年間でのFX所得がおよそ300万円以下なら海外FXを選んでも問題はないのですが、ゆくゆくは大金を稼ぎたいと思っている場合には最初から国内FXを選んでおきましょう。
中長期的に考えると海外口座より国内FXの方がおすすめ
FXの海外口座に関するメリットやデメリットを詳しく紹介してきました。本文で解説した通り、海外FX会社を利用する上では注意しなければならない点がたくさんあります。
特に取引条件や悪質な業者の存在は初心者にとってリスクの高い部分です。そのため、これからFXに挑戦するならまずは国内FXを利用してみてください。
なお、中長期的にFXを続けるのであれば国内FXの方が向いています。これは使えるレバレッジが大きくない分、すぐにロスカットされるような危険性がないからです。また、国内FXには年間で数百万円以上の利益を出した場合に納める税金の額が安いといったメリットもあります。