こんな疑問を解消します!
- 配当金とは?
- 配当金は「いつ」「どうすれば」もらえるの?
- 配当狙い投資の注意点は?
- 高配当銘柄の探し方とは?
今回はこんな疑問を解決していきます。
超低金利の現代の日本において、銀行の定期預金では資産はまったく増えない状況です。
そんな中、将来への対策ため積極的に配当金狙いの投資を考えている方も多いのではないでしょうか?
投資家の中には、配当金だけで生活している人も実際にたくさんいます。
そこで今回は「株式運用」の「配当金」について初心者向けにわかりやすくお伝えしていきます。
この記事を最後まで読めば、配当金の仕組みが全て分かりますよ!
配当金とは?基礎知識
配当金とは会社が得た利益を株主に還元する仕組みのことです。
会社が得た利益というのは、「売上から経費と税金を差し引いた純利益」のことで、純利益の一部を配当金として年に1回か2回、株主に還元します。配布有無や回数は会社によって異なります。
配当金がない会社よりも配当金がある会社の株を購入した方がお得のような気がしますが、実はどちらがいいのかというのは一概には言えません。
会社によっては純利益を配当金ではなく、新規事業に投資して売上を伸ばすケースもあるのです。
すると株価が上昇し、株主は配当金以上に得することができます。ベンチャー系の会社はこの傾向が強いです。
配当金が多い会社の特徴
- 安定して利益が出ている企業
- 業界が成熟しており、新規投資での拡大の余地がない
- 業績が安定している大企業
配当金が少ない会社の特徴
- 成長に勢いのあるベンチャー企業
- 赤字企業
株式の仕組みがよく分からない方は、以下の記事もご覧ください。
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配当金はいつ、どうすればもらえるの?
配当金は「権利付最終日の大引けまでに株を保有する」ともらうことができます。
権利付最終日は権利確定日の2営業日前を指しますので、仮に31日(金)が権利確定日だとすると、その2日前にあたる29日(水)が権利付最終日となります。
なお、29日(水)大引けまで保有していれば、翌日に株を売却しても配当金はもらえるのです。
配当金は権利確定されたらすぐに配布されるわけではなく、実際に配当金を受取るタイミングは「権利確定後の約2~3ヶ月後」です。
配当金の指標「配当利回り」とは
配当金は配布される金額だけでは優劣の判断はできず、株価に対してどれくらい配当金が配られるのかを示す「配当利回り」という指標が使われます。
配当利回りは高ければ高いほど、配当金のパフォーマンスが高く魅力的なことを示します。
以下は配当利回りを求める計算式です。
配当利回りを求める計算式
【配当利回り】=【1株あたりの配当金】÷【現在の株価】×100
では、配当利回りは次のA社とB社ではどちらが高いでしょうか?
- A社 : 株価500円、1株あたりの配当金35円
- B社 : 株価300円、1株あたりの配当金25円
パッと見だと優劣はつけにくいですね。
配当利回りを計算すると、A社の配当利回りは7.0%となり、B社の配当利回りは8.3%ということになりますので、配当利回りが高いのはB社ということになります。
ただし、あくまでも配当金は予想値になりますので、配当利回りも予想配当利回りという扱いになります。
配当金を狙った投資の注意点3つ
配当利回りが低い会社よりも、配当利回りの高い会社の株を保有した方が配当金は期待できますが、この配当狙いの投資にはいくつかの注意点があります。
配当利回りが高いからといってすぐに手を出すのは危険なので、よく注意点を確認してください。
配当狙い投資の注意点3つ
- 1日だけの配当狙いのリスク
- 株価下落が配当金利回りを高くしている場合
- 業績を見極めないと含み損になる
注意点①:1日だけの配当狙いのリスク
1つ目は、配当権利確定に向けて株価は上昇しますが、権利落ち日には配当金(株主優待)分だけ株価が下落するリスクがあることです。
1日だけ株を保有して配当狙いをしていっても、株価を高値で掴んだ後で配当分だけ株価が下落して損失が生れるので実質利益が無い状態になります。
ですから1日だけの配当狙いの投資はあまり意味がないでしょう。
注意点②:株価下落が配当利回りを高くしている場合
2つ目は、業績悪化によって配当利回りが高く計算されるという点です。
配当利回りは、1株あたりの配当金を株価で割って求める計算式ですので、株価が下落し割る数の分母が小さくなると、その分だけ配当金利回りは高くなります。
株価下落による配当利回りの変化の例
- 配当金100円で株価1,000円 → 100÷1000×100=配当利回り10.0%
- 配当金100円で株価700円(300円下落) → 100÷700×100=配当利回り14.2%にアップ
配当利回りが極端に高い場合は、今後も株価が下落し続けるリスクがありますので注意してください。
注意点③:業績を見極めないと含み損になる
配当金はあくまでも会社の純利益の一部であり、業績が悪化すると配当金の減額という可能性もあります。また、無配当になってしまうケースもあるのです。
さらに株価下落によって含み損が拡大してしまうというリスクもあります。
業績の良い会社は、配当金も株価も上がります。
配当狙いの投資をする際も、「会社の業績は安定しているのか」「業績は向上しているのか」といった点をしっかり見極めることが大切です。配当利回りの高さだけで選ぶことのないようにしてください。
高配当のおすすめ銘柄と探し方
以下は2023年2月時点のおすすめ高配当銘柄です。
企業 | 配当利回り |
商船三井(9104) | 16.30% |
日本郵船(9101) | 15.20% |
三井松島ホールディングス(1518) | 7.06% |
日本製鉄(5401) | 5.90% |
ソフトバンク(9434) | 5.63% |
※数値は2023年2月18日時点
100万円の資金があって、銀行の定期預金の金利0.01%を利用していたら、1年間の利息はわずか100円です。
20年間貯金しても2,000円ほどの利息しかありませんから、100万2,000円です。
しかし、これがもし配当利回り6.0%の株で20年間運用できたとしたら、なんと「約320万円」になります。これが株式投資のリターンの大きさです。定期預金とはまさに雲泥の差だといえます。
高配当銘柄の探し方は難しいことではありません。
株式投資をするためには証券会社の口座開設が必要です。
今回は「SBI証券」でご紹介しましょう。口座開設の年会費や維持費は無料になっていますので手軽に開設ができます。
SBI証券の公式サイトにアクセスし、「国内株式」をクリックします。続いて「スクリーニング」をクリックしてください。
さらに「高配当銘柄」(主力銘柄)を「リスト表示」します。
ここで各会社の予想配当利回りを確認することができます。リスクで簡単に他社と比較することができます。
記事を読んでよく分からなかった方は、配当金の仕組みや注意点を動画(約13分)で解説していますのでご覧ください。
配当金のまとめ
それでは今回の株式投資の配当金についてポイントを改めて確認してみましょう。
配当金のポイント
- 配当金とは会社の純利益を株主に還元する仕組みで、会社によって配当の有無や受け取り額が異なっている。
- 業界が成熟した会社は配当金が多い。逆にベンチャー系の会社は配当金が少ない傾向がある。
- 配当金は、権利付最終日(確定日の2営業日前)の大引きまでに株を保有していれば、2~3ヶ月後に配当金を受け取ることができる。
- 配当金の指標である配当金利回りの計算式は、「1株あたりの配当金÷現在の株価」である。
配当金は株式運用のメリットのひとつですが、配当利回りの高さだけで投資先を決めることのリスクもお伝えしました。
大切な資産です。効率良く、効果的に資産を増やしていくためにもぜひ今回の知識を役立ててください。